お金をできるだけ多く残すのではなく、人生の中で最も価値のある経験に使い切り、悔いの少ない人生を送ろうという本でした。お金は貯めること自体が目的ではありません。時間・健康・経験を豊かにするための手段だと言い切ります。
なんのためにお金を使う?
多くの人は、老後や将来の不安からお金を貯め続けます。しかし、年齢を重ねるほど体力や健康が衰え、年老いてしまうと、若い頃にはできた旅行や冒険、家族との活動ができなくなります。そうなってから、貯めたお金を使い始めても、使い切れません。
何にお金を使う?
体力と時間があるときにお金を使うことを推奨しています。では何に使うか、
経験にお金を使えと言い切っています。経験は、その瞬間だけでなく、後から思い出すたびに幸福をもたらします。これを本書では「記憶の配当」と呼んでいます。経験に投資をすれば、その分配当があるよ言うわけです。
いつ使う?
今しかできないことにお金を使う。なるべく早く使う。年齢によってできる経験は変わるため、先延ばしにしない方がいい。できるだけ若い時に、年老いてから経験しようにも、体が動かないと経験もできません。
若いころなら貧乏旅行ができますが、おとなになってから安宿に泊まることはできません。泊ったとしてもそこで若者同士の交流には参加できません。死ぬときに、やらなかったことは後悔するけど、やって失敗したことは後悔しないようなことです。
できるだけ早く経験に投資する。若いうちの旅行、学び、挑戦は、その後の人生にも影響を与えるという考え方でした。
ゼロで死ぬ
キャッチーなタイトルにしたかったのでしょうが、これが誤解を生んでいると思いました。資産を残さないくらいで死ぬのが理想なのですが、長く生きてしまうことはあります。その分の資産まで食いつぶせとは言っていません。必要な資金は残しておくけど、貯めすぎるな、ということが筆者の言いたいことです。成功者の言い分、といえばそれまでですが、今の日本は年金をもらっている高齢者が、お金を貯めこんで消費しないから景気が良くならないという意見があります。高齢者にお金を配っても、使えるところがないからです。経験に投資をしたくても、体が動きません。
自分が想像してる以上に、年を取ると、お金を使えません。それが、無駄に資産を残すなという意味です。本当にゼロにはならないので、あまり貯めこみすぎるな、ということです。
9つのルール
今しかできなことにお金を使う:死後に多額のお金を残すより、生きている間に人生を豊かにするため使う。
できるだけ早く経験に投資する:からだが動くうちに
ゼロで死ぬ:象徴的なことばですが、あまり資産を残しすぎるなという意味です。
人生最後の日を意識する:時間には限りがあると理解すると、本当に大切なことを選びやすくなる。この毎日が続いていくと思うと、1日を大事にしない。転職もそうかも。
子どもには死ぬ前に与える:相続を待たせるのではなく、子どもが必要とする時期に資産を渡す。子供の側から見ても、若い時にもらわないと、使いようがない。70歳で相続しても、一体に何に使うという話。
お金・健康・時間のバランスを取る:お金があっても健康や時間がなければ、経験を楽しめない。ためこみすぎるなという話。
やりたいことの賞味期限を意識する:旅行、スポーツ、親との時間などには、実行できる年齢の限界がある。
40〜60歳頃から資産を使い始める:老後のために貯め続けるのではなく、人生の最適な時期に取り崩す。そう考えると、自分の資産を目減りさせていくタイミングが必要。サラリーマンになるとわかるかも。終わりの時に年収が高くても、子供が巣立ってしまうとお金は必要ではないのに、、、
必要な範囲で大胆にリスクを取る:失敗を恐れて何もしないことにも、大きな機会損失がある。
チップス
他にも色々なチップスがありました。
タイム・バケット:本書では、人生を年齢ごとの期間、つまりタイム・バケットに分け、各時期に実現したいことを書き出す方法を紹介しています。
例えば、次のように整理します。
20代:海外旅行、語学、友人との冒険
30代:家族との旅行、仕事の挑戦
40代:体力が必要な登山や長期旅行
50代以降:文化体験、ゆっくりした旅、家族への贈与
この方法を使うと、「老後にまとめて楽しむ」という計画の危うさに気づけます。
実践方法
一生のうちに必ずしたい経験を20〜30個書き出す。
それぞれに「何歳までに実行したいか」を設定する。
旅行、趣味、学習、家族との時間に予算を配分する。
老後に必要な最低限の生活費を計算する。
余剰資金は、経験や大切な人のために計画的に使う。
子どもへの援助は、子どもが最も活用できる時期に行う。
誤解
「ゼロで死ぬ」は、無計画にお金を使い切るという意味ではありませんでした。住居費、医療費、介護費、生活防衛資金など、将来必要な資金を確保したうえで、過剰な貯蓄を見直す考え方です。資産は残す必要があります。生きていくためです。でも残しすぎるなというのが筆者の言いたいこと。
特に日本で暮らす場合は、公的年金、住宅費、医療・介護費、家族構成などを考慮して、自分にとっての「十分な金額」を計算する必要があります。
まとめ
お金を残すことに人生を使うのではなく、人生を豊かにするためにお金を使う。将来のためにすべてを先送りせず、時間・健康・家族との経験を、できる時期に実現しましょう。明日からやってみます。

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